• 氏  名：原　章規
• 所  属：金沢大学医薬保健研究域医学系
• 研究内容：新規エリスロポエチン阻害因子：抗エリスロポエチン受容体抗体の測定とその臨床的特性

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

自己紹介

2000年金沢大学医学部卒業、2006年同大学院医学系研究科修了。2008年より2010年まで金沢大学附属病院検査部医員。以降、同附属病院腎臓内科に勤務。2016年より環境生態医学・公衆衛生学教室に所属。

研究の紹介と今後の抱負

この度は2017年度(平成29年度)日本臨床化学会学術賞にご選出いただきまして、誠にありがとうございます。
医学部を卒業後、内科学、特に、腎臓学およびリウマチ学に携わっております。診療とともに、遭遇する頻度の比較的高い検査値異常である貧血、ことに治療に対する反応性が小さい貧血の病態解析を行ってまいりました。これまでに、内因性のエリスロポエチン(EPO)に対する自己抗体の機能解析に次いで、EPO阻害活性を持つ抗EPO受容体抗体を世界に先駆けて発見・報告し、その測定法（ELISA）を構築してきました。また、EPOの造血外作用に着目し、EPO-EPO受容体系からみた臓器合併症に果たす抗EPO受容体抗体の役割の解明、そして個別化医療にむけた抗EPO受容体抗体の臨床的意義について、慢性腎臓病(CKD)を主な対象とした検討を重ねています。このうち、いくつかの腎臓病では、抗体は腎予後と関連する可能性があることが示されつつあります。
貧血および臓器障害に関する病態および治療に対する新たな視点につながることを期待しながら、今後も本テーマに関する研究に取り組んでまいります。

▲ top

• 氏  名：岡田光貴
• 所  属：医療法人白岩内科医院 臨床検査室
• 研究内容：炎症性腸疾患における血清S100A8/A9のバイオマーカーとしての意義

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

自己紹介

2014年4月, 天理医療大学医療学部臨床検査学科助手に就任。同時期に京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻検査技術科学コース博士後期課程(社会人枠)へ入学する。2017年3月, 同大学院を修了し, 博士号(人間健康科学)を取得。同年4月より医療法人白岩内科医院臨床検査室にて勤務, 現在に至る。

研究の紹介と今後の抱負

この度は日本臨床化学会「奨励賞」にご選出頂き, 選考委員会の先生方並びに関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。私自身は本年に博士号を取得したばかりの身であり, 研究の経験や実績は誇れるものでは御座いませんが, 今後益々の努力を重ね, この度の賞に恥じることのない研究者に成長していきたいと考えております。私の現在の研究テーマは「炎症性腸疾患(IBD)における血清S100A8/A9のバイオマーカーとしての意義」です。IBDを罹患した場合, 患者様は定期的な通院と内視鏡検査を必要とします。しかし, 大腸内視鏡は患者様にとって身体的・精神的な負担が大きく, 頻繁に施行することは難しいと考えます。そこで私は, 慢性炎症時に血中で増加し高感度に検出可能なS100A8/A9というタンパク質に注目しました。現在はIBD患者におけるS100A8/A9の血中濃度をELISAで測定することにより，本タンパク質の変動がIBDの病態（重症度）を反映するかどうかを精査しております。血中における本タンパク質の測定がIBDの重症度診断や治療効果の判定に有用であり, ひいては内視鏡検査の回数軽減等の患者様への利益に繋がると考え, 日々研究を続けております。最終的には本研究の臨床検査への応用を目指して, 今後とも精進を重ねていく所存であります。

▲ top

• 氏  名：千葉　満
• 所  属：弘前大学 大学院保健学研究科 生体検査科学領域
• 研究内容：疾患バイオマーカーとしての体液中マイクロRNAの探索研究

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

自己紹介

2010年 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了、博士（医学）取得。2010年4月より弘前大学大学院保健学研究科・助教として勤務。2013年4月より同・講師（現職）。教育では一般検査学・臨床化学を担当。

研究の紹介と今後の抱負

この度は名誉ある日本臨床化学会・奨励賞に選出していただき誠にありがとうございます。日本臨床化学会ならびに選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。私は「体液中マイクロRNAに着目した新たな疾患バイオマーカーの発見」という内容で研究をしております。血液や尿などの体液中に存在するエクソソーム（エキソソーム）という細胞外小胞に含まれる成分を詳細に分析することで、早期発見が困難な疾患の予測を目指すといった研究内容です。現在、消化器癌、放射線被ばく、非アルコール性脂肪性肝炎など様々な疾患モデルを使用した血中マイクロRNAバイオマーカー探索を行っています。今後もエクソソームに着目した体液中マイクロRNAの研究を続け、新たな難治疾患バイオマーカーの発見ならびに臨床応用を目指して研究に邁進してまいります。何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

▲ top

• 氏  名：前川正充
• 所  属：東北大学病院　薬剤部
• 研究内容：フォーカスドメタボロミクスによるニーマンピック病C型の診断マーカー探索

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

自己紹介

2007年東北大学薬学部卒、2009年東北大学大学院薬学研究科修士課程修了。2009年4月東北大学病院薬剤部に薬剤師として入職。同年10月より東北大学未来医工学治療開発センター助手。翌年より東北大学病院薬剤部助手。2015年より同助教（現職）。学位は博士（薬学）、専門は臨床分析化学。

研究紹介と今後の抱負

この度は2017年度奨励賞にご選出いただき、大変光栄に存じます。選考委員会の先生方、本学会の諸先生方に厚く御礼申し上げます。ご推薦及びご指導くださいました眞野成康教授ならびに共著者の先生方に深く感謝申し上げます。
コレステロールは細胞膜を構成するとともに、種々の生理活性物質に代謝されます。一方、その体内挙動が変化する疾患群においては抱合型代謝物の尿中排泄が増加するため、その変動を捉えることで、疾患マーカーの探索が可能になります。本研究発表では、抱合形式に依存するフラグメンテーションを活用した、フォーカスドメタボローム解析法を構築し、それを用いてコレステロールの輸送異常症であるニーマンピック病C型と代謝異常症である3β-ヒドロキシステロイド-Δ5-C27デヒドロゲナーゼ欠損症の両患者尿に特徴的な数種類のピークを見出しました。
今後も、クロマトグラフィーと質量分析法による精密分子認識を基盤とした臨床化学的研究を展開していきたいと考えております。臨床に応用可能な化学診断法の開発や各種病態の分子レベルでの解明を目指した研究を進め、臨床化学の発展に貢献して参りたいと考えておりますので、先生方のご指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。

▲ top

• 企 業 名：栄研化学株式会社
  代表者：マーケティング推進室　MKT一部二課 山本　高良
• 業績概要：全自動生物化学発光免疫測定装置「BLEIA^®-1200」

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

会社紹介

　このたびは日本臨床化学会技術賞受賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。学会ならびに選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。
　栄研化学は、感染症に対する細菌検査用試薬の開発を通じて、わが国の防疫と公衆衛生に貢献してきました。さらに、一般検査、生化学検査、免疫血清検査の分野においても、それぞれ時代の医療が必要とする臨床検査薬および医療機器・システムを開発し、国内はもとより世界の人々の健康と医療に貢献することを目標としています。

研究の紹介と今後の抱負

　ホタルのルシフェリン-ルシフェラーゼ反応は非常に効率の高い発光反応であるため、古くから高感度検出系への応用が期待されてきました。本酵素の高感度特性やワイドなダイナミックレンジに着目し、本酵素を使用した超高感度な免疫測定法の開発に挑戦しました。そして、臨床検査薬として世界で初めて生物発光酵素免疫測定法Ｂｉｏｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｔ　ｅｎｚｙｍｅ　ｉｍｍｕｎｏａｓｓａｙ　（ＢＬＥＩＡ法）の実用化に成功しました。このたび技術賞を頂いたＢＬＥＩＡ法は、多検体処理が可能であり、遺伝子検査に匹敵する高感度特性を有しています。その検査コストは一般的な遺伝子検査よりも低く経済的なメリットも大きいため、臨床現場に更に普及することで臨床検査に大きく貢献できると考えています。今後も、自動測定装置、検体前処理の簡素化あるいは自動化を組み合わせることにより、簡便で感度が高く迅速処理と３拍子揃った測定システムを開発することに努めていきます。最後に、本研究に多大なるご協力およびご教示頂きました多くの先生方に改めてお礼申し上げます。

▲ top

• 企 業 名：ニプロ株式会社　総合研究所
  代表者：総合研究所　第三研究開発部　井上　哲
• 業績概要：血中リチウム濃度測定試薬エスパ・LiⅡの開発

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

会社紹介

このたびは日本臨床化学会技術賞受賞の栄誉をいただき、誠に光栄に存じます。代表理事、学術集会長、選考委員会の先生方、そしてご推薦賜りました先生をはじめ、ご協力いただきました先生方に心より感謝いたします。
ニプロ株式会社は、検査・診断薬のみならず、医療機器、医薬品などの幅広い分野で、ユーザー目線に立った製品・技術を開発しております。世界中の人々の医療ニーズに応えられる「真にグローバルな総合医療メーカー」を目指しています。
検査・診断薬関連では、免疫学的検査、遺伝子検査、生化学検査、簡易迅速検査など、さまざまな分野において、早期に診断や治療効果の判定ができる新しい診断薬や、その場で簡単に検査できる検査システムの開発を推進しています。

研究の紹介と今後の抱負

血中リチウム濃度測定は、これまで原子吸光分析法やＩＣＰ分析法もしくは専用の分析装置での測定が主であり、特別な手技、装置が必要であり、簡便性や汎用性に欠けていました。このたび、技術賞を頂いたエスパ・LiⅡは、汎用生化学自動分析装置対応のリチウム測定試薬であり、容易かつ迅速に、臨床の現場において測定していただけることを目的に開発しました。今後も、原子吸光法やＨＰＬＣ法等の従来法では、同時に多数の検体を短時間では測定できないバイオマーカー等を容易かつ迅速に測定できる試薬を開発し、医療の質の向上に貢献していく所存です。最後に、私たちの研究開発におきまして、日頃より多大なるご指導、ご協力していただいてる先生方に、改めてお礼申し上げます。

▲ top

• 企 業 名：富士レビオ株式会社
  代表者：研究開発部門長　青柳克己
• 業績概要：画期的な高感度HBs抗原測定試薬「ルミパルス HBsAg-HQ」の開発

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

製品化ﾁｰﾑ：写真右上が代表者 青柳

会社紹介

この度は、このような大変栄誉ある賞をいただき、誠に光栄に思います。代表理事、学術集会長、そしてご推薦賜りました先生方をはじめ、本試薬開発にご指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます。富士レビオは、みらかｸﾞﾙｰﾌﾟの中核企業のひとつであり、みらかグループの企業理念「医療における新しい価値の創造を通じて、人々の健康に貢献する」に照らし、健康で豊かな社会づくりと世界の医療に貢献するために、独自性の高い新製品の開発や次世代のコア技術の確立を目指した活動を行っております。

研究の紹介と今後の抱負

本年度の学術賞をいただきました、HBs抗原測定試薬「ルミパルス HBsAg-HQ」は、より高感度で血中HBsAgを検出するため、従来の既存概念を打破した新しい開発コンセプトを基に開発されました。その製品特長としては、①標的抗原として、主にHBV関連粒子上のHBsAgではなく、一次免疫反応中に効果的に粒子膜を破壊し低分子化されたHBsAg分子を選択したこと。②検出用エピトープとして、一般的にHBV感染後期に出現する血中HBsAbの選択圧を受けにくいHBV関連粒子の内側エピトープも用いており、検出用の有効エピトープ数が増え、各種変異体に対しても影響を大きく受けにくい試薬となったこと、があげられます。これらの特長から、感染初期のスクリーニングや診断、慢性B型肝炎患者の治療経過観察や、HBsAg陰性となった既往感染者における免疫抑制剤や化学療法実施時の再活性化リスク低減にも大きな貢献を果たすことが期待されます。
今後とも、臨床検査に係る技術の開発を進め、臨床現場でのご要望にスピーディにお応えすると共に、新しいサービスや新規の臨床有用性を提案することをめざして活動を行って行きたいと思います。

▲ top

• 氏  名：濱村憲佑
• 所  属：順天堂大学医学部・大学院医学研究科
• 研究内容：Simple quantitation for potential serum disease biomarker peptides, primarily identified by a peptidomics approach in the serum with hypertensive disorders of pregnancy

▽ 詳細はこちら（クリックで表示・非表示）

自己紹介

2007年順天堂大学医学部卒、2年の初期臨床研修を経て2009年より順天堂大学医学部産婦人科学講座入局。2016年順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了、同年5月より助教。現在順天堂大学医学部附属練馬病院に勤務。専門は周産期学、婦人科腫瘍

研究紹介と今後の抱負

この度は、大変名誉ある賞をいただき光栄に存じます。学会ならびに選考委員の先生方、そして本論文の執筆をご指導いただきました荒木慶彦先任准教授、共著者の先生に心より感謝いたします。
妊娠高血圧症候群(HDP)は母体胎児の生命にかかわる重篤な疾患です。一部原因は解明されはじめていますが、その病態の複雑さゆえ、いつ発症しどのように進行するのか予想ができません。しかも、予防法や根本的な治療薬はなく、妊娠終了が唯一の病態改善策になります。我々産婦人科医はひとたび発症したHDP患者に対し、母体の安全と胎児の成熟を考慮しながら、病態変化と妊娠終了時期を適切に判断する必要があります。本論文では血中ペプチド断片に着目し、新たな疾患バイオマーカー候補となりうる特徴的な2種類のペプチドに関してサンドイッチELISA法を用いた簡易的測定法の確立、バイオマーカーとしての有用性を検討しました。現時点では疾患の有無による血中濃度差の証明ですが、今後は発症予測や増悪指標としてのペプチド断片の応用、さらには病態の解明にも利用できると考えます。今回の受賞を糧として更なるHDPの臨床・研究に邁進してゆきたいと思います。

▲ top

• アークレイマーケティング株式会社
• ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

▲ top